大洪水の前に

著者 斎藤幸平

資本主義の疎外  封建制社会と資本主義

 封建的土地所有では「人格的」「政治的」な支配である。土地の生産物は、領主は農奴に対して、直接的に生得的な特権を持つ人格的権力として相対し生じる。農奴や借地人には生存保証が与えられ、生産過程における自由と自立性を実現していた。近代社会では土地の商品化により労働者は大地との結合を消失する。人間は賃労働者として他人に自由に処分できる唯一の商品である労働力を販売し外化する。その結果生命保証を失い他人に支配される。労働により生産されたものは他人のものである。 –1章–  220326

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