SFA

成長過程の停滞

 産業機械を製作する100人程度の製造メーカである。創業から20年余り業績を伸ばし、そのカテゴリーではトップメーカとなった。しかしここ数年はこの分野のニーズの高まりとともに大手を含めた競合他社の参入が多数あり業績は停滞している。課題の一つはマーティング力、製品開発力の不足による新たな製品の産出がないことが挙げられる。
 基幹技術が数点ある。元々はその基幹技術をベースとして顧客のニーズに合わせた半特注品により業績を伸ばしてきた。半特注品の中である程度汎用的に販売できるものが現れ量産品に近いものとなった。量産品の受注、製造、納入は特注品に比べ手間がかからず低リスクである。その状況の中では手間のかかる顧客の新たなニーズに合わせた製品の案件は敬遠されがちになる。その結果マネージメント層まで情報が上がらず新たなニーズを把握しにくくなった。
 業界の中では早期にネットによる広報を開始し多くの問い合わせ情報を得ることができている。その情報に丁寧に対応し販売実績を増やし顧客のベースを広げてきた。だが受注量が安定している状況下では様子が変わる。購入意欲が高く働きかけずとも成約できる容易な案件への対応に終始しがちになる。購入の意思がまだ固まっておらず、働きかけが必要な案件への対応は手薄になる。いわゆる受け身の姿勢である。一旦その状態になると受注量が減少する局面となっても積極的な姿勢には変わりにくい。
 隠れて見えなくなったニーズ、組織人員の増加による情報量の増加、案件の進捗状況などの見える化による情報共有化が必要となる。

コメント